隣の不器用王子のご飯係はじめました



うわああ、絶対言うこと間違えた。

遠坂くんめっちゃ戸惑ってるじゃん!



「あの、な、名前で呼んでくれたの嬉しかったから……私も呼んでみたいなって……」

「……っ、今のは色々……やばい」



遠坂くんは小さくそう呟いて、熱のこもった瞳を私に向けた。



「じゃあこれから、在花って呼んでいい?」

「も、もちろん!」

「多分すぐには変えられないけど、ちょっとずつ慣れる」

「うん、私も」



遠坂くんが少し口角を上げるようにして微笑んだ。

そして、瞳と同じように熱のこもった声で私の名前を呼ぶ。



「在花──」



遠坂くんの唇が、ゆっくりとまた私の唇に重ねられた。



―fin―



『〖ファン限定〗番外編まとめ』にて、「修学旅行のサプライズ(遠坂side)」が読めます