痛いところをつかれた姉さんは、悲痛な声を上げる。


それを見た俺と母は、思わず顔を見合わせて笑うのだった。







結局、この家には一泊して翌日の昼頃帰ることになった。

もっとゆっくりしても良いと言われたが、姉さんと違い翌日の月曜日には普通に学校がある。


玄関先で、あと数日泊まる予定の姉さんと母に見送られる。



「気を付けて帰るのよ。……また、気が向いたときに来ると良いわ」

「うん。あ、俺もうすぐ修学旅行があるんだ。何か土産買って送る」

「ひろも沖縄行くんだよね~。母さんへのお土産はあたしが買ってきたのと被らないようにしてねー」

「……大丈夫。人へのお土産に『徳用黒砂糖セット』は選ばないから」



そんな会話をした後、俺は記憶を頼りに駅までの道を一人で歩く。