色々考えたせいで、先ほどよりもさらに頭が冴えてきてしまった。
少しでも眠らないと明日に響く。
そう思って目を閉じたとき、突然スマホのバイブ音が鳴りだした。
静かな中でのバイブ音というのは思ったよりも大きい。
慌ててスマホを取ると、その画面は姉さんからの着信を知らせていた。
小野山さんを起こさないよう、忍び歩きで玄関の方まで移動し、応答ボタンを押すなり小声で文句を言った。
「姉さん、何時だと思ってるの?」
『んー?えっとぉ、十二時半!』
「一時半だから」
電話の向こうで、姉さんは楽しそうに「きゃはは」と笑っている。
これは間違いなく酔ってるな面倒くさい。出なければ良かった。
「で、こんな時間に電話してきていったい何?」
『あたしねぇ、今沖縄来てるんだー!』
「あ、そう」
知ってる。こうして今小野山さんと一つ屋根の下にいるのはそのせいなのだから。



