かああっと、顔が熱くなっていく。
何それ何それ。遠坂くん、私のことそんな風に思ってくれてたの?
ただのお世辞なのかもしれないけど、すごく嬉しい。
「あはは、ありがとう。まさか肉じゃか持って行っただけで温かい気持ちにさせる人だって思われたなんて。私っていうより肉じゃがのパワーかも」
私は照れ隠しにそんな冗談を言う。
だけど、その言葉に遠坂くんは「肉じゃか?」と不審そうにした。
「え?ほら、五月ぐらい?私が遠坂くんたちに夕ご飯作って来るって約束した日。初めて会ったときってそのときのことでしょ?あの日持って行ったのが肉じゃが」
レナさんの部屋のはずが、何故か隣のクラスの王子が出てきた……ってめちゃくちゃびっくりしたんだよね。
私にはまりに衝撃的すぎて、その日のことは持って行ったメニューに至るまでまでばっちり覚えていた。でもそれ以来色々なものを持って行ってるし、遠坂くんは覚えてなくて当然だ。
そう思ったけど……。



