隣の不器用王子のご飯係はじめました





「あ、えっと、ケチャップかけないと!はい、遠坂くんも自分のにかけて!」

「……うん」



見られた?え、完全に見られたよね、今。

ドドドドっと心臓があり得ないスピードで打ち、顔が熱くなっていく。


……いや、でも何に対する“すき”なのかはわからないよね。もし聞かれたら「オムライスへの気持ちです」とでも言っておこう。苦しい気がするけど。


だけど、私のそんな心配をよそに、遠坂くんはその後ケチャップの字のついて触れることはなかった。







夕ご飯のオムライスを食べ終えた私たちは、その後は学校の課題をしたりして過ごしていた。

私の部屋の小さな机を二人で使うとどうしても距離が近くなってしまい最初は緊張していたけど、わからないところを遠坂くんに教わっているうちに、ちゃんと勉強の方に集中できるようになった。

さすがは成績上位組。説明がものすごくわかりやすい。


……問題が起きたのは、寝る時刻になってからだった。