レナさんは意外なまでに強い力で、私の手をぐいぐい引っ張って部屋の中へと連れていこうとする。
奇妙に思いながらも手を引かれるがままに付いていく。
「わ、姉さん馬鹿本当にこれは……」
部屋の中では、遠坂くんが何やら焦った様子で、床に散らばった何枚もの紙を集めていた。
だけどかなり慌てているようで、せっかく集めた紙をまた落としてしまう。
そのうちの一枚がひらりと舞って、私の足元に落ちた。
いったい何なんだろう、と思って拾い上げようとするけど……。
「待って小野山さん!」
遠坂くんがすぐさま私のもとにとんできて、紙を拾おうとしていた手を押さえた。
「えっと」
「だめ。本当にこれは見ない方が良い。小野山さんのためにも」
「はあ……」
どういうことだろう。
遠坂くんの表情は引きつっていて、その上頬が真っ赤だった。