二週間ぶりに足を踏み入れた部屋。予想していたことだけど、そこに置かれた一人暮らし用の冷蔵庫にはもらってきた野菜の半分ほどしか入らない。

うーん。腐ったら困るし、レナさんのところの冷蔵庫も貸してもらおうかな。


私はそう思い立って、半分の軽さになった野菜の袋を持ち上げると、自分の部屋を出てレナさんの部屋のインターホンを鳴らした。



『はいはーい』

「あ、小野山です」

『ありりん!帰って来たんだ!タイミング良いなあ……待ってて今開けるね~』



インターホンから聞こえてきたのは、いつものレナさんの明るい声。

ドアを開けたレナさんは、かなり機嫌が良さそうだった。



「わあ、ありりん大荷物」

「実は野菜をたくさんもらって……。レナさんのところの冷蔵庫、少し貸してもらえませんか?」

「いいよいいよ~。それよりありりんこっち来て!今ね、ちょっと面白いことになっててね、うふふ……」