遠坂くんは珍しいものを見るようにアイスを眺めたあと、恐る恐るという感じでかじった。
一瞬冷たそうに顔をしかめたけど、どうやら気に入ってもらえたようで、ふわりと優しい表情を浮かべながら食べ進めていた。
「ありりんアイスまで作れちゃうんだ~!冷たー!あ、ミカン入ってる」
「はい!缶詰のフルーツもちょっと入れてみました」
答えながら、私も一口かじる。
市販のアイスに比べるとかなりカチコチに凍っている。
だけど口の中でゆっくり溶け出すと、爽やかな甘みが広がっていく。
夏らしい、爽やかな味だな。
私はこれから始まる暑い夏休みに思いを馳せながら、またヨーグルト味のアイスを口に運んだ。