隣の不器用王子のご飯係はじめました




えっへん、と胸を張った姉に、遠坂くんは冷たい目を向ける。



「姉さんは夏休みまだ少し先でしょ。その前にテスト、で、テストの二日後に締め切りあったよね」

「ぐっ……」



痛いところを突かれたみたいで、今度はレナさんの表情に影が差していく。

だけど遠坂くんはそれにさらに追い打ちをかける。



「というか、今までいくつも単位落しておきながら『どうにかなってる』って本気?」

「それは……」

「姉さんを見てると全然安心できないから、こっちは進路を真面目に考えてるんだけど?」

「うわーん、ひろが意地悪だぁ……。テストで一位取り逃したから機嫌悪い~」



そういえば今回の期末テスト、遠坂くんは総合4位だったな。

私からすればもう住む世界が違うんじゃないかと思えるぐらいすごいんだけど、遠坂くんはそれでも不満らしい。

でも、レナさんの手伝いもしながらだったし、もっと自信持てば良いのにな、とは思う。