しばらく真剣な眼差しの彼にぼうっと見惚れた後、私はハッとして姿勢を正す。


だめだめ。心配してくれてるのに。

私は少し迷った末に、色々とぼんやりとさせて相談してみることにした。



「すごく大切な友達がいるんだけど……」



とりあえずそう切り出したけど、二人にはその友達が由梨であることは何となく察されるかもしれない。



「実はその子が知ったら確実に傷つく隠し事があって、今普通にしゃべってたらバレちゃいそうだからついその子のことを避けちゃってて。……やっぱり良くないよね」



答えは返ってこない。

見ると遠坂くんは困ったように目を逸らしている。



「ごめん、相談するように誘導しておいてあれだけど、相談する相手絶対俺じゃだめだ」

「え?」

「……友達が片手で数えられるぐらいしかいない俺にはあまりに力不足な気がする」