ペチンッと背中を叩いてくれた。


溌剌とした茉優のおかげで、少しだけ心が軽くなった気がする。


「蒼空のことも勇翔のことも、もう考えるのはやめる」


ただただ部活に集中しよう。


もうあと4ヶ月で最後の予選が始まる。


隣に蒼空はいなくても、蒼空が笑顔で甲子園のマウンドに立てればそれでいい。


すべては蒼空の夢のために。


蒼空が何としてでも掴みたいと言う夢のために。


「…蒼空のことは、マネージャーとして支えていく」


「そっかそっか。ちょっとは立ち直れた?」


「…うん。ありがとね」


本当に恋愛感情がなかったのかなんて分かんないけど、今はそう思っておけばいい。


何を思ったって、私の知ってる蒼空はもういない。


野球部の選手としての蒼空しか残っていない。


だったら、ウジウジしてちゃダメだ。


あと4ヶ月。


たったの4ヶ月。


少しでも長く蒼空と同じ時間を過ごしたいんだ。