俺がお前を夢の舞台へ

プルルルル…プルルルル…


『なんだよ今忙しいんだけど』


キレ気味の口調で勇翔の声が聞こえてきた。


何度かけ直しただろうか。


ようやく聞けた勇翔の声に、堪えていた思いが涙となって現れる。


「勇翔…っ」


説明しなきゃ…っ。


友翔くんがいなくなったって話さなきゃ…っ。


『…何かあった?』


分かってるのに、優しくなった勇翔の声を聞いてると涙が止まらなくなる。


『泣いてたら分かんねぇーよ。あと二時間くらいで帰るから待ってろ』


「ちが…っ…それじゃだめ…っ」


ちゃんと言わなきゃ…っ。


なんで私が泣いてるんだろう…っ。


悪いのは私なのに…っ。


『…どうした?大丈夫か?』


「勇翔…っ、ごめん…。友翔くんが…いなくなっちゃった…っ」


一瞬の沈黙。


そして。


『……はっ?お前今どこ?』