俺がお前を夢の舞台へ

「はぁっはぁっはぁっ」


アパートの階段を駆け上り、ドアノブを捻る。


やっぱり鍵はかかっていない。


「ただいまっ」


部屋に飛び込んだけど、そこには誰もいなかった。


家を出る前にやっていた宿題がそのまま広げられている。


「友翔くん?どこー?」


お風呂とトイレを覗いてみたけど、友翔くんはいなかった。


他に探せる部屋はない。


「友翔くん……?」


勇翔が持たせている子供用のスマホも机の上に置きっぱなしだ。


「嘘……。友翔くん…!?」


どこいっちゃったの…?


アパートの周辺を歩き回ってみても、友翔くんの姿は見当たらない。


ドクドクドクッ…と心臓が暴れまわる。


嫌な汗も震えも止まらない。