相愛カタストロフィ




「苗字が…」



「小学生の時親が離婚したんだ、
んで一回別々になったんだけど、最近仲直りして再婚した。
苗字は変えると色々面倒だから高校卒業するまでこのままでいようって。

それ説明するの面倒だし学校の人達には黙ってようってなった」



「それに俺たちそれぞれ母親似、父親似だからあんま似てないって言われる…羽結?」



聞いてないよ…確かにこう並んでるとどこか似ているような。


笑ってるところとか…?芹は五月先輩みたいなヤバい笑顔は見せないけど。



なんて思っていると、五月先輩と目が合う。



「と、とりあえず傘お借りします
タオルまでありがとうございました、お邪魔しました!」



「え、はゆはゆはゆはゆは「ん、また明日ね」





家を出て、貸してもらった水色の傘を差して駅までの道のりを歩く。



「はーゆ」



「五月先輩…」



追いかけてくるとは思っていたけど。


入れて、と一つの傘に二人で入る。なんで持ってこないんだろ。




「ね、五月って母方の姓で今の俺の苗字、水瀬だから。
五月先輩って呼ばれてもわかんないなー」




名前で呼ばれたいだけなのがバレバレだ。

でも、




「イジワル言わないでください…宙、先輩」