どうせ、いずれバレてしまうから……
なら、今言った方がいいよね。
「そ、そうです。私は月影のangelです」
観念してそう言うと、驚きの声が上がった。
「月影のangelって、黒龍の姫の……」
「そ、そうだったの!?」
「へー、お前がか。なんかイメージしてたのと違うな」
「心優ちゃんが月影のangel……ってことは、ルウが探してた月影のangelってこの子なの!?」
「へぇ。じゃあ、それが本来の姿じゃないんだ。ねぇ、本来の姿を見せてよ」
菜摘さんのセリフも気になったけど、まずこの軽い変装を解いた。
眼鏡を外し、ウィッグと黒のコンタクトレンズも取る。
今、露わになってる姿。
それが私の本当の姿……変装している時は普通の人と同じ黒髪に黒い瞳。
本来の姿は白髪に赤と青のオッドアイ。
普通に気持ち悪いと思う。
自分の姿を鏡で見るけど、天使には程遠い。
「……やっと会えた」
総長さんに目を向けると、何故か嬉しそうな顔をしていた。
……やっと会えたってどういうことなんだろう?
いや、それよりも、ここにいてもいいのかな……?
「あ、あの、ここにいてもいいんですか?」
「いいに決まってる。俺の部屋使えばいいから」
優しい声。
ここに何が含まれてるのか分からない。



