「すみません、遅くなりました」
「いや。そんなに待ってないし、気にしなくていいから。じゃあ、行こっか。心優」
「は、はい」
歩き出した流羽さんに慌ててついていった。
「あの、どこに行くんですか?」
「そういえば、言ってなかったか。心優があそこで暮らす上で必要になる物を買いに行く。いろんなところに寄らないといけないと思うから、覚悟するように」
「あ、はい。分かりました」
確かに私には暮らす上で必要な物が全く揃ってない。
服にしても、今着てる一着しかないし……
でも、そういうのを全部買ってたらお金が凄くかかっちゃう。
お金を抑えるためにも、少しだけ買うようにしないと。
私はお金を全く持ってないんだから。



