どっちからも好かれるなんて凄いなぁ……
「あの、どうしたんですか?菜摘さん」
そう思いながら菜摘さんに駆け寄った。
視線をなるべく気にしないようにして。
「一緒に食べようと思って!心優ちゃん、食べる物持ってきてないでしょ?ルウ達はもう食堂に行ってるから、あたしは心優ちゃんを呼びに来たの!」
「あっ、そうだったんですか。わざわざありがとうございます」
「いえいえ!さぁ、行こう!」
菜摘さんが元気よく歩き出して、私もそれについていった。
「ここの食堂、美味しいんだよ!」
「それは楽しみです」
話しながら向かっていると、その間も視線を感じた。
菜摘さんってほんとに人気なんだなぁ……
「ヤバくね、あの転校生」
「菜摘さんに全然劣ってないよな。むしろ、菜摘さんより勝ってるくね?」
そんな声は私に聞こえてなくて。
隣にいるのが私でごめんなさいとまた申し訳ない気持ちになりながら、一緒に向かわせてもらった。
「あっ、心優ちゃん!こっちこっち!」
食堂に辿り着くと、たくさんの人で賑わっていた。



