しかも、誰も隣にいない。
人見知りの私にはちょうどよかったかもしれないけど、寂しいな……
「じゃあ、ホームルームは終わりよ。各自休憩に入りなさい」
ホームルームが終わったところで、休憩時間に入った。
「うわ、マジ美人……」
「綺麗すぎだろ」
「ここまでの美人、見たことないよな」
転校生がそんなに物珍しいのか、扉から私を見てコソコソ呟いている。
うぅ、コソコソ言うくらいなら、堂々と言ってほしいな……
チャイムか鳴ると、一斉にいなくなったからホッとした。
ても、授業中は妙に視線を感じるし、休み時間になるとまるで見世物みたいに私を見に来るから、少し、ううんかなり疲れた。
「みーゆちゃん!」
お昼休みになると、菜摘さんが私の教室に来て私の名前を呼んだ。
何だろう……?
「陵さんの女の菜摘さんじゃん!」
「見れるなんてラッキー」
「美人だよなー。陵さんが羨ましいわ」
「あれ、菜摘さんだよね!」
「近く見ると、ほんと美人ー」
「いいなぁー、桜川さん」
クラスメートの反応でだいたい菜摘さんがどんな存在なのかを知る。
男の子は顔を赤くしながら菜摘さんに見惚れているし、女の子は羨ましそうに私を見てる。



