「さ、桜川心優です。よ、よろしくお願いします」
ビクビクしながら、頭を深く下げた。
静まり返っていて、それが余計に怖い。
どう思われてるんだろう……?
そう思いながら、ゆっくりと顔を上げると……
「超美人じゃね?」
「バカ!ああいうのを絶世の美女っていうんだよ!」
「でも、性格悪そー」
「確かに!美人は性格悪いイメージがあるもんね」
コソコソ何やら話し声がする。
なんて言われてるのかな……?
やっぱり、可愛い子が来てほしかっただろうから、可愛くない子が来てガッカリ、とか。
どっちにしろ、良くないことを言われてるんだろうな……
「はぁ、うるさいったらありゃしない。ごめんなさいね、桜川さん」
「い、いえ」
「おいおい、梢ちゃんそんな言い方はないだろ!」
「そうだそうだ!」
「うるっさいんだよ、くそガキ!梢ちゃんって呼ぶな!梢先生と呼べ!」
うん、いい先生ということは分かるんだけど……
果たして先生としてこの言い方はいいんだろうか……
「本当にごめんね。桜川さんはあそこの空いてる席に座って」
「あ、はい。分かりました」
指定された場所はベランダ側の1番後ろ。



