そう言ってもらえたけど、不安は晴れない。
……こういう時、流羽さんがいたらいいのに。
自然とそう思った自分にびっくりした。
流羽さんとは昨日会ったばかりなのに……
どうして、こんなにも……
「着いたわ。ちょっと待ってて」
「わ、分かりました」
考え事をしていたら、着いてしまったみたい。
先生に言われて、廊下に立ち止まる。
「はいはーい、静かにしなさい」
ガヤガヤ
廊下にも聞こえてくるくらい賑やかだ。
「聞けって言ってんだろ!」
急に聞こえてきた怒声。
その声、言葉遣いにびっくりしてしまった。
この声、梢先生だよね……?
「たくっ。あんた達は怒鳴らないと静かになんないんだから」
今度は呆れたような声。
やっぱり、さっきの怒声は梢先生みたい。
もしかして、元ヤンだったりするのかな……?
「今日は転校生が来てるから、紹介するわよ。はい、入ってきて」
思わず返事をしそうになったけど、せずに中に入った。
途端に視線がこっちに向く。
うぅ……でも、ちゃんと自己紹介しなきゃ。
頑張って教壇に立って、自己紹介をした。



