そう言った流羽さんがこっちを見たから、慌てて自己紹介をした。
「あ、桜川心優、です」
「桜川さんね。私は担任の梢よ。よろしく」
さばさばしていて、生徒から好かれていそうな先生だった。
それに、美人。
なんだか憧れちゃう。
「は、はい。よろしくお願いします、梢先生」
また私の嫌な癖が出つつも、しっかりと頭を下げた。
「まぁ、素直でいい子そうね。よかったわ、あなたみたいな子が来てくれて」
それだけなのに、何故か嬉しそうな顔をされた。
素直でいい子そうって……別にそんなことないのに。
「じゃあ、心優。俺は理事長室に行ってくる。また放課後に」
「あ、はい」
流羽さんはそう言って出ていって、職員室にいる生徒が私1人になった。
今まで流羽さんがいたからだろうけど、1人になって急に心細く感じた。
「じゃあ、桜川さん。行こうか」
「あ、はい」
呼びかけられてビクッとなりながらら梢先生についていった。
「桜川さん、緊張してる?」
「は、はい。緊張してます」
「まぁ、野蛮な奴が結構いるから何とも言えないけど。桜川さんなら、多分大丈夫よ」
な、何を根拠に言ってるんだろう……?



