「あの、流羽さん。今更なんですけど、ちゃんと手続きとかしてくれてるんですか?」
「あぁ。でないと、心優は通えないし」
「じゃあ、テストとか受けるんですか?」
「いや。ここは、入試を受けなくても通える高校だから、心優もテストを受けなくていい。ただ、定期テストはあるから、ちゃんと勉強しないといけないけど。あまりにも悪い点数を取ったら、留年とか、下手したら退学もある」
へー、そうなんだ。
学校の仕組みとかよく分かってないけど、流羽さんの説明で入る時のテストがないことを知った。
でも、流羽さんヵ言うようにちゃんと勉強しなくちゃ……
留年とか退学には絶対なりたくないし……
「そうだ。心優、放課後俺に付き合ってくれる?」
「あ、はい。いいですよ」
流羽さんの言葉に頷くと、少しホッとしたような顔をされた。
もしかして、私が断るとでも思ったのかな……?
「着いた。入ろう」
話してる間に目的地に着いていたらしい。
着いた場所は職員室で、理事長室は行かなくていいのかなって思いながらも流羽さんに続いた。
「失礼します」
「あ、失礼します」
同じようにそう言いながら、視線を感じてまた萎縮してしまった。
うぅ、見られてる……
「あら、水上君。後ろにいるのは……もしかしてその子?転校生というのは」
「はい、そうです」



