こんな時にも出てしまうのかと自分で呆れた。
「怯えちゃってる?可愛いね~、大丈夫だよ!怖がるようなことはしないからさ!」
うぅ、どうしよう……
こんなところで喧嘩するわけにもいかないし……
この人、ちょっとしつこそうだし。
困り切っていると……
「この子にちょっかい出すなよ」
誰かが私と私に声をかけてきた人の間に入ってくれる?
背が高く、広い肩幅。
それに、この声……
「流羽さん……」
オーラがあって、表情は見えないけどすごい迫力。
少し怒ってるような気もするけど……
「とっとと失せろ」
流羽さんが凄みの効いた声でそう言い放ったからか、すぐに怯えたような顔をして去っていった。
「あの、流羽さ……」
お礼を言おうと思ったところで遮られてしまった。
「キャー、流羽様よ!」
「今日も輝いておられるわ!」
「神々しい!」
……女の子達の声によって。
さっきのマコさんと同じくらい……ううん、もしかしたらそれ以上かもしれない。
とにかく、すごい声量と高音……
「……うるさ」



