断りの言葉を述べた時、心苦しかった。


何で私なんかを姫にしたいって言われたのか分からない。


でも、受けることはできない。


……だって、怖いから。


「だろうな。でも、信じさせてみせるから。俺達は絶対に心優を裏切らない。今はもう諦めるけど、もう1度聞く。心優が俺達を信じてくれるのを、心を許してくれるのを待ってる」


力強い言葉だった。


まるでその言葉は私に何が起きてるのか予測しているよう。


この人はきっと知ってる……


「さてと、もう寝ようか。おやすみ、心優」


「お、おやすみなさい」


優しく甘く響いた流羽さんの声にまた赤面した。


幸い、流羽さんが電気を消していて顔は見えなかったと思うけど……


同じベッドに寝っ転がって、さっき言われた言葉を考えた。


何があったか知ってるから、私を受け入れてくれたのかな……?


流羽さんは同情で私を姫にするって言ってくれてるんだろうか……


思考はそこでストップし、流羽さんの背中の体温を感じながら私は夢の中へと入っていった。