いいの、かな……?
仮にも敵の姫だった人なのに……
「結果オーライ!」
「確かによかったよ」
「だな」
幹部の方々は安心してるみたい。
とりあえず、反対はないんですね?
だったら、いいってことなのかな……?
「ふふっ。よかったね、心優ちゃん!」
「へっ、きゃっ……」
突然、菜摘さんに抱きつかれてしまった。
どう反応したらいいのか分からず、あわあわしていると……
「この子、可愛い!月影のangelとは思えない!」
よ、よく言われます。
事実、自分でもそう思う。
「菜摘、離せ」
すると、総長さんが私と菜摘さんを引き剥がした。
「もう!ルウ、嫉妬深い奴は嫌われるんだからね!」
「……うるさい」
「うるさいって酷い!」
言い合いを始めてしまった総長さんと菜摘さん。
な、仲が良いんだな……
その様子を眺めていると……
「はぁ……それより、自己紹介したら?」
「あ、そうだよ!ルウ、自己紹介しな!」
「そうだな。俺は水上流羽(みなかみるう)。優雅の総長。よろしく」
「は、はい。改めてよろしくお願いします」
慌ててもう1度頭を下げた。



