注意深く観察してしまう。
欠伸をすると、影君が夜更かしをしたからかもしれないと思う。
にこにこと整った容姿を歪めて笑っていると、本当に非の打ちどころがなくて、眩しい人だと思う。誰にでも優しくて、面白くて、皆、森田君を気にかけている。男女問わず、好意を抱いている人がたくさんいると思う。
きっと、森田君はすごく幸せなんだ。
薄暗い部分なんて一つもない。やっぱり、羨ましい。ほんの少し、影君に同情さえしてしまう。
だけど、授業中も森田君のことを見てしまうようになってから、新しく気づいたこともあった。
授業中の彼は、みんなに囲まれている時とは違っていて、結構真面目で、先生のギャグに時折、思わずといった感じで、柔らかく口角をあげるだけなのだ。
その時の表情は、なんだか、クラスメイトにみせる笑顔の何倍も無防備なもののように、私には見えた。
初めてその微笑をみたとき、森田君はこんな風にも笑うんだ、って、私は密かに驚いていた。
同時に、もしかして、いつもにこにこしているけれど、本当は無理して笑ってるときもあるのではないかと、少しだけ心配にもなってしまって。だけど、それは、私なんかが心配することではない、とすぐに思い直した。



