きみは溶けて、ここにいて【完】





 溢れてくる。

怖いけど、それ以上に、私、今、すごく、言いたい。



「どちらも大切なあなたで、私、まるごと、好きになりたいんだ。大切に、したい。好きになってくれて、嬉しい。まだ、森田君のことを好きかどうかは分からないけど、まるごと、好きになりたいって、今、確かに、思ってる」



 なんだか、やっぱり、私は泣きそうになっていた。嬉しいんだ。言葉に、できている。伝えたくて、昨日から、ただ、たくさん伝えたくて仕方がなかった。



 傷つけてしまうかもしれない。
いつだって、言葉にはそういう可能性がある。

でも、救っていたいの。
大切だと思った人には、届けていたいの。


沈黙は、自分を守るためではなく、誰かを守るためにあるべきで、逃げ場所には、もう、しない。

いつだって、慎重に、だけど、伝えないよりは、伝えたほうが、いい。自分の言葉で傷つけて、誰かの言葉で救ってもらえて、私、やっと、分かったんだ。



 言葉にするって、素敵なんだ。

朝の光みたいに、輝くときが、たくさん、ある。



 目の前で驚いたような表情を浮かべている森田君の輪郭が少しあやふやになる。

だけど、見つめていたかった。