きみは溶けて、ここにいて【完】





 やっぱり、森田君は、多重人格かもしれない。人格の障害なのかもしれない。今更、思う。

だけど、私は、医者じゃなくて、専門的なことなんてなんにも分からなくて、それでも、森田君のことも影君のことも知っている。


苦しみを、私なりに、知って、いる。




 伝えたい、と思った。


 大丈夫だって、
それ以外のことも、伝えたい、と強く思った。




 心が、ずっと、震えていた。

手紙を読み比べていたからか、いつの間にか随分と時間が経っていた。二十二時を過ぎている。

だけど、どうしても、できるだけ早く伝えたいと思って、携帯を取る。



 森田君とのメッセージ画面を開いて、〈明日、少し早めに学校に来てくれませんか? 生徒玄関で待ってます〉と、文字を打った。



勇気は萎まないうちに。逃げ出さないうちに、ものにしなければならない。

影君から学んだこと。


打った勢いのまま送信したら、すぐに既読がついて、〈了解〉とだけ、返事が来た。