きみは溶けて、ここにいて【完】









ーーー……一番最初の手紙で読書にはまってるって書いた気がするんだけど、前の俺なら、絶対に読まなかったような本も、最近は読むようになった。

最近読んだもので、すごくいいと思ったものがあるから、引用(言い方があってるのかは不明)させて。たぶん、保志さんは好きだと思う。そんな気がする。

ちょっと季節外れだけど、俺は四季の中では一番夏が好きだ。保志さんは?(俺の予想は、春) 何にせよ、今だけは夏が好きな気持ちで、読んでください。夏の中にいてよ。



“あなたを夏の一日に譬えようか。
あなたはより美しく、より穏やかだ。
・・・
美しいものはみないつかはその美を失う
偶然や自然の衰退が美の衣装を剥ぎ取る。
しかし、あなたの永遠の夏が色褪せることはない
あなたの今の美しさを失うおそれもない
・・・
人が呼吸しているかぎり、目が見えるかぎり
この詩は生きてあなたに永遠の命を与える。”


シェイクスピアのソネットっていう詩集の一八番。

保志さん、どう? 俺は、強い詩だなと思った。今、ちょっと得意げな気持ちです。手紙で、詩の引用なんてするようになったから。

永遠って、怖いけど、根拠が何もないから、ずっと信じられるものだよな、と思う。

俺は、今も、やっぱりまだ、どうしようもなく、怖い。だけど、なんかさ、保志さんに手紙を書いているときだけは色々なことが遠くへいく。

俺、無表情だよ、今。でも、不幸だと思ってない。本当に感謝してる。嗚呼(詩風)、眠くなってきた。そろそろ寝ます。おはよう。


それでは。


森田 陽