きみは溶けて、ここにいて【完】





 影君の瞳に私が映る。

これからも、そのままであってほしいと思いながら、私は頑張って笑った。



「……変わったんだ。影君と出会って、私も、救われた、の。友達ともね、少し、こころの距離を縮めることができた。林間学校のときなんて、久しぶりに誰かのお願いを、断ることが、できた」


 そのどれもが怖かったけど、全部、嬉しかった。自分のことを、また信じてみようと思えているんだ。



「あのね、影君、」

「う、ん」



 わらって、ほしい。


影君の存在を望むこと。それが森田君にとっては、マイナスなことであったとしても、逃げ出してしまった夜のように、怖がったままではいたくないんだ。



「好きだと言ってくれて、すごく、すごく、嬉しかった。間違っているかもしれないけどね、やっぱり、私ね、影君は森田君の弱さではないと思うんだ。あなたは、優しくて。優しさが弱さなわけがないと思うんだ。影君、大切なんだ。すごく、大切。存在している理由とか経緯なんて、なんだっていいの」

「……っ、」

「影君、好き、です。消えないでほしい。好きだから、これからも、会いたい。かけがえがないの。私にとって。影君は、いつの間にか、そういう存在になってた。……消えないで、ほしい」


 
 好きです。

 最後にもう一度だけ、そう言葉にして、唇を結ぶ。