きみは溶けて、ここにいて【完】





 迷った末に、〈気にしないでください。大丈夫です〉と返信をした。

すぐに、またメッセージが届く。



〈三角公園で、待ち合わせをしましょう。気をつけてください〉


 三角公園は、私の住む住宅街からも近く、歩いて十分ほどの距離にある。



メッセージを確認して、急いで部屋を出た。リビングにいたお母さんとお父さんに、「少し、出かけるね」とだけ伝える。危ないから気をつけなさいよ、と言うお母さんの声を背中に受けて、家を出た。



 心配してくれる家族がいる。私には、二人。
森田君には、一人。



影君のことを思いながら、森田君のことも同時に思う。どう思うのが正解なんだろう。

必要なことと必要だと思うことは違うと森田君は言う。



なんだか、今、走りながら、それが少し分かってしまって。だけど、分かりたくなくて、苦しい。





 三角公園に着くと、すでに入口の街灯のところに森田君が立っていた。

走ったことで乱れてしまった息を整えながら、恐る恐る近づく。


月の明かりはない。ただ、街灯の弱い光に照らされた彼の顔が、強張っていて、「……森田君、」と慎重に呼んでから、ああ、と思った。