そして、耳元に顔を寄せられる。
さっきのこともあったし、今はあんまりこそこそ話なんてしたくないと思ったけれど、避けることなんてできなくて。
「さっきの里香ちゃんたち、吃驚しちゃったね」
「そう、だね」
「でも、なんで疑うの? とか思った。森田君と、文子ちゃんの組み合わせ、なんか違うって感じするし。お互いに、似合わないって感じ」
久美ちゃんはそう言って、顔を少し遠ざけて笑った。
彼女に、悪気なんてひとつもないのだろう。
そういう顔だ。
ただ、私のことを元気づけようと思ってくれただけなのかもしれない。
それでも、ほんの少し苦しかった。



