「どうなの?」
「答えられないってことは、好きなんじゃないの?」
「片思い? 両想い? 陽って、保志さんみたいな人がタイプだとは知らなかった」
「ねえ、保志さん、何か言ってよ? 責めてるみたいじゃん。私たち、聞いてるだけでしょ?」
どう答えても、きっと、満足してくれない。
追い込まれているのに、行き止まりには辿り着かず、どこまでも、どこまで、追い込まれている。
ぱくぱく、と金魚みたいに、口を動かすことしかできなくて、自分が惨めだと思いながら、逃げられもせず自分の席で、島本さんたちを見上げていた。
そんなときだった。
「なにしてんの?」
さっきまで教室にはいなかったはずの、森田君の声が後ろから聞こえたんだ。
島本さんたちが怖くて、私は振り返ることができなかった。



