きみは溶けて、ここにいて【完】






「―――教えて、ほしい」



 傷つけていたら、とか、間違えていたら、とか、そういう不安さえ抱けずに、森田君のほうをじっと見つめる。


「何を」と、言う森田君の声は、ほんの少し震えていた。


言いたくないのなら、きっと、彼は言いたくないと言うと思った。


ちかちか、と、瞳は今も、
かそけき星のように光っている。




「……影君が存在しているのは、どうしてなのか、」

「きっかけ?」

「う、ん。……言いたくなかったら、いいの。でも、私、ごめんね、知りたくて、」

「……言いたく、ない」

「………そっか」

「でも、保志さんには、知ってほしい気もするんだ。影のことを知っている唯一の人だし」

「うん」

「保志さん、知って、くれるの?」



 いつもの何倍も自信のない声で、尋ねられた。

私が何度も頷くと、森田君は、自分の後ろに手をついて、空を仰ぎ見るような体勢に変える。



「星、綺麗だな。あ、保志さんではなく、日に生まれるの星、な」


 今の今まで恐れていたはずなのに、急にそんなことを言うものだから、拍子抜けして、強張っていた身体の力が少し抜けてしまう。