私も、そう思う。
女子だけじゃなくて、人間って意味が分からないんだ。そんなことを、マイナスではなく、プラスの気持ちで思えたことが本当に久しぶりで、自然と笑ってしまった。
「林間学校って、なんかいいね」
「そう、だね。浜本さんも、吉岡さんも、……ありがとう」
「鮫島は？」
「あ、えっと、鮫島君も」
「てか、さっきから、何がありがとうなの？ 分からん。けど、私も言おう。サンキュー」
「俺は、どういたしまして、しか言わない」
いつも教室では話すことのないクラスメイトだ。私は、久美ちゃん以外の人とは滅多に話さない。
だけど、くじ引きという偶然で同じ班になって、最初はずっと、何も起きませんようにと願うばかりで、びくびくしていたけれど、今は、少しリラックスして、三人と向き合えている。
少しお肉とピーマンで量の増えたカレーを食べながら。
断らせてくれて、ありがとう、なんて、馬鹿みたいなことを、私は思っていた。
