こっそりと携帯を取り出して、三人の後ろを歩きながら、自分がいいと思ったものを写真におさめる。
何も嫌な思いをさせたくない。誰にも。
写真を撮りながら山道を歩いているうちに、そんな思考はいつの間にか消え、影君のことを、私は、考えていた。
オリエンテーリングが終わるころには、すっかりと日が暮れていた。
夕飯は、各班ごとに広いバーベキュー場のようなところで、カレーを作ることになっていた。
衛生面の注意を施設の人がしている。それを、みんなついさっきまで歩き回っていたからか、疲れ切った表情で聞いていた。
みなさん美味しいカレーライスを作ってくださいね、施設の人がそう言い終えて、去っていく。
食材はすでに各班の持ち場においてあった。先生の指示を受けた後で、それぞれ、班ごとにカレー作りに入る。
鮫島君は、米を担当すると言って、少し離れた窯のところへ行ってしまった。浜本さんと吉岡さんと私の三人が、持ち場に残される。
どうしよう、と思っていたら、二人が私のほうを向いて、ぱちんと手を合わせてお願いのポーズを取ったから、あ、と思った。
この後の流れは分かってる。
何度も経験した。だけど、今日くらいは、そうされたくなかったなと思いながら、「……どうしたの?」と精一杯笑う。



