「え、あれが眞(しん)の妹なの?」


「いや大して可愛くなくない?」



「お兄ちゃんイケメンなのにね、似てないわ。」



耳を塞ぎたくなる声。





ほんとに最悪すぎる。

ついてない。






入学から一週間後。



部活動見学ついでに友達と兄の眞の部活を見学してたら


兄がイケメンなおかげで??


"兄イケメン=妹も可愛いんじゃないか"なんて噂が広まっちゃって。




注目浴びた上に、私を見る度にこのざま。



「ほんとにお兄ちゃんと比べられるって大変だね〜」




なんて友達の凛は軽く言うけど



「凛も私の身になってみな?辛いぞコノヤロー。」




軽く言われるなんてたまったもんじゃない。




怒りを心の中で制御しながら凛を引っ張りながら自転車小屋に向かう。




「もう帰るの?私もうちょっとお兄さん見ていきたかった〜。」



そんな言葉を無視しながら自転車小屋からチャリを出す。



すると1人の少年が近づいてきて




「え、可愛くな。」



「は?」




これが私とあいつの初めての会話だった。



何こいつ失礼な。