「……うぅっ。うー、あぁー」
「はい、よくできました」
「だんし、こうこうせいのっ、ばかぁー」
なにこれ超ひどい。
なぜ振られた翌日に男子高校生に泣かされているのか。いい年した大人が子どもの前で泣きじゃくるなんてなにをしてるんだ、ほんと。
ちょっとでも泣いたんだからもうそろそろやめてもいいでしょう。ほら、私の理性よもう一回仕事をしなさいな。
そう思っているのに、理性も涙腺もなかなか元通りになってくれなくて。
昨日出したくても出せなかった涙が、不思議と今はとめどなく溢れ出てくる。
「よしよし。誰も見てませんよ。みんなカップルがコンビニの前でいちゃついてるくらいにしか思ってませんからね。安心してくださいね」
見るに堪えられない顔になっているであろう私の顔を自らの胸元に押し付け、さらには覆いかぶさるように上から私を抱き締めている男子高校生。
ちょっと、いろいろ、お姉さんは、苦しいです。



