「……え?」

 あれ……?今、わたし……。

「……ごめん」
 
 その場から立ち去った門野さんの背中を見て、状況をようやく把握した。

「え……。今、わたし……」

 キス……した? 門野さんと……?

「……っ!」
 
 え、どうしよう……! キス、してしまった……!!
 そして不覚にも……。

「……え、日向!?」

 日向にその場面を、しっかりと目撃されてしまったようだった……。

「つぼみ、お前……」

「ひ……なた」

 どうしよう……。とても気まずい。気まずすぎる……。
 何を話したらいいのかも分からない……。

「お前……。門野さんのこと、やっぱり好きなのか?」

 そしてそう問いかけてくる日向。

「違っ……。そんなんじゃ……」

 そんなんじゃない……。わたしが好きなのは、日向なのに……。
 日向が、好きなのに……。

「じゃあなんで……。なんで門野さんと一緒にいるんだよ」

「それは……。バディ、だから……」

 わたしのバディは、門野さんと決まった。……ただ、それだけのつもりだったのに……。

「……バカ」

 なぜか、三角関係?の予感がする……。