「……許せない」

 絶対に許される訳、ない。そんなこと……。

「女をお金で売ろうとするなんて……。最低」

「……つぼみ」

「あーあ……。史上最悪の、クリスマスになっちゃったね」

 もっと早く事件を解決したかった。

「そうだな。……あの女子高生たちにとっても、今日は最悪なクリスマスになるだろうな」

「……そうだね」

 今日は本当なら、聖なる恋人たちのクリスマスだ。恋人が一年に一度、素敵な夜を過ごせるとても大切な日。
 それは恋人だけじゃない。友達や家族でも言えることだ。あの女子高生たちも、きっと恋人や友人と遊ぶ約束をしていた人がいて。きっと美味しいケーキを食べながら、家族や友人とプレゼント交換をする人だっていただろう。
 そんな聖なる夜に、人身売買をさせようとしていたなんて……。絶対に許せない。

「……ねぇ、日向」

「ん?」

「あの子達、もう大丈夫だよね?」

「……ああ。きっと、大丈夫だ」

 あの子達には、明るい未来がまたきっと待っているはずだ。……どれだけ苦しい思いをしたかなんて、本人にしか分からない。
 けどあの子達は、また笑って生きられる。