大きな声で叫ぶと、イラリオさんを始めとする、その部屋にいた人が一様に沈痛な面持ちをした。イラリオさんがそっと私の手に大きな手を重ねる。

「落ち着いて聞いてほしい、お嬢ちゃん」

(お嬢ちゃん?)

 今までにない呼び方に、私は戸惑ってイラリオさんを見返す。

「アリシアは今回の件に心を痛めて──。その……、残念な結果になった」
「はい?」

 意味がわからず、私はこてんと首を傾げる。
 私が残念な結果になったとは一体?

「だが、お嬢ちゃんのことは俺がきっちりと面倒を見てやるから安心してほしい。アリシアの大事な妹だもんな」
「……妹?」

 私に妹はいませんけど?