男性が片手を振ったのと同時に空から目映い光の雨が降り注ぐ。さっきまではふたりの声しか聞こえなかったのに、周囲から一斉に[おめでとうー]という精霊達の歓声がたくさん聞こえてきた。 『イリス』 男性が背後に向かって呼びかける。 『どうか、私の代わりにこの子を守っておくれ』 『わかったにゃん。まかせるにゃん』 男性の肩にトンっと黒い猫が乗っかり、私の顔を覗き込んだ。 ────── ──── ──