絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

(綺麗な人……)

 母が見つめる男性を見て、そう思った。
 まるで彫刻のように美しい人だ。長い銀髪がさらりと顔にかかっているけれど、凜々しい雰囲気から男性だとすぐにわかる。
 その男性は、母が胸に抱く私を見つめていた。そして、まっすぐに私を見つめるその瞳は──。

『この子の瞳は、まるで金の星のようね。あなたと一緒』

 お母さんは愛おしげに私を見つめる。その言葉を聞き、男性の輝くような金色の目が優しく細まった。

『ああ、そうだね。どこにいようとも、この子は私の愛し子だ』

 男性の顔がそっと手を伸ばし、額に優しく触れる。

『この子に祝福を』