絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

 周囲に散乱したがれきをどかし、必死に叫ぶ。衛兵達も必死の様子でがれきをどかしていた。

 ──これは駄目かもしれない。

 そんな弱気な考えが脳裏を掠めたそのとき、どこからか「にゃー」と猫の声がした。
 周囲を見回すと、黒い猫ががれきの上にちょこんと座っているのが見えた。俺と目が合った猫は、下を気にするような仕草をする。

「っつ! アリシア!」

 そこに、人影らしきものを見つけ、慌てて駆け寄る。

「違う。アリシアじゃない」

 そこに倒れていたのは、どこかアリシアに似た面影のある小さな女の子だった。