絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

 なんと言うべきか迷ったけれど、ここは正直に言ったほうがいい気がする。

「捧げました」
「捧げた?」
「はい。世界の均衡を守るのは私だと、神託を得ました」

 その瞬間、ガタンと椅子が倒れる大きな音がした。

「なんという不敬だ! 精霊神様の言葉を、直接聞いたなどと恐れ多い」

 そう叫んだのは、先ほど平民風情と私を小馬鹿にするような発言をした司教だった。

「でも、聞きました」

 私は咄嗟に言い返す。本当に聞こえたのだ。

「黙れ!」

その司教は怒りで顔を真っ赤にした。

「そもそも、聖女候補が平民だという時点でおかしいと思っていたのです。他の四人は周囲が輝くという明らかな変化があったのに、アリシア殿だけ何も起らなかった。本当は、聖女候補ですらない偽物の可能性すらあります」