絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

(あれは精霊の祝福かしら?)

 私はその光景をじっと見守る。以前、自分の誕生日にも精霊達があんな風に光を放ってお祝いしてくれたことがあった。
 さすがだ、とか、見事だ、という声が聞こえてくる。

 ルイーナと呼ばれた令嬢はその反応に満足げに微笑むと、立ち上がって周囲の司教そして王族の面々にも会釈をして席に戻ってきた。

「次は、東部地区リラーナの──」

 その後も順番に聖女候補達が呼ばれ、祭壇に祈りを捧げる。程度の差はある者の、キラキラと光が降り注ぎ、幻想的な景色が広がった。けれど、最初のルイーナ様ほど大きな反応がある方は今のところいない。

(これは、ルイーナ様で決まりかな)

 呑気にそんなことを考えながら、私は自分の順番を待つ。

「最後に、北部地区セローナ大聖堂推薦の聖女候補、アリシアさん」
「はい」