絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

 嘲笑するような囁きが聞こえてはっとしてそちらを見る。そこには、一人の司教がいた。まるで汚いみのでもみるかのような視線でこちらを見つめている。やはり、聖女候補が平民というのはかなり特異なのだろう。

「では、これで五人の聖女候補が全員揃いましたね。早速聖女光臨の儀を始めます。説明は聞いていますね?」

 大司教の問いかけに、五人の聖女候補達が頷く。

「それでは早速始めましょう。まずは中央地区チェキーナ大聖堂推薦の聖女候補、ルイーナさん」
「はい」

 大司教に名前を呼ばれ、私と並んで一列に座っていた令嬢のうちひとりが立ち上がる。赤味を帯びた金髪が印象的な人だ。つかつかと祭壇の前に歩み寄ると、その場に跪いた。華奢な手を胸の前でしっかりと組み、目を閉じて頭を下げる。

「おおっ!」

 その姿を見守ってい人々から驚きの声が上がる。
 祭壇の上部、ステンドグラスになっているあたりから降り注ぐ光が青白く煌めき、まるで雪のように無数の光が舞い降りた。