(治っている?)

 どうなっているのかと呆然としていると、至近距離で何かが倒れるような音がした。

 ──ドサリ。

 鈍い音がしてはっとする。

「エリー!」

 すぐ近くで、アリエッタが倒れていた。いつの間に戻ったのか、元の小さな姿だ。

「リーン! エリーを!」

 俺は慌ててザグリーンに助けを求める。ザグリーンと戦っていた魔獣は、いつの間にか姿を消していた。

「わかった」

 ザグリーンはこちらに駆け寄ってくる。
 俺はアリエッタを抱き上げると、その顔を見つめる。

(エリー、お前はもしかして──)

 自分の想像を胸にしまい、ひとまずザグリーンと共にセローナ大聖堂の医療院へと向かった。