「イラリオさん。私、これからもイラリオさんと一緒にいていい?」

 私はおずおずと尋ねる。

「当たり前だろ」
「そっかぁ、へへっ」

 どうやら私が元に戻った姿は見られていないみたいで、ホッとする。

(それにしても──)

 私は気を失う直前のことを思い返す。元の姿の私が祈りを捧げた瞬間、神聖力の結界が急激に強化され、最近増え始めていた瘴気が一瞬にして浄化された。

(もしかして、聖女ってやっぱり──)

 右手でぎゅっと胸の辺りの服を掴む。そのとき、イラリオさんが口を開く。

「外はどこもお祭り騒ぎだよ。ルイーナが聖女の力でアメイリの森を浄化したって」
「え?」

 思いがけない話に、私はきょとんとしてイラリオさんを見返す。

「あー、つまりだな──」