──頑張ったね、アリエッタ。

 優しい声に、ホッとする自分がいる。体から急激に力が抜け、私はパタリとそこに倒れる。頭を撫でるような優しい感触がした。

「お父さん……?」

 男の人は目を細めて笑う。それは、遠い記憶にあるあの日と全く変わらぬ父の姿だった。